2019年11月11日

否定と肯定


2019.Sep.08
☆☆★★★
Denial (2016) on IMDb

USのホロコースト研究家のリップシュタット教授(レイチェル・ワイズ)は、ナチス・ドイツ学者のアーヴィング(ティモシー・スポール)を攻撃する論を展開した。アーヴィングは英で、リップシュタットの著作の中で自身のホロコースト否定論を否定した、彼女とその出版社を相手取り、名誉毀損訴訟を起こす。英の名誉毀損訴訟では、被告側が立証責任を負うため、事務弁護士のジュリアス(アンドリュー・スコット)、そして法廷弁護士のランプトン(トム・ウィルキンソン)が率いるリップシュタット側のチームは、アーヴィングがホロコーストに関して嘘をついていると立証することを求められる。相手方の守りに備え、リップシュタットとランプトンは、地元の学者と共にポーランドのアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所を訪れる。一方の調査団は、アーヴィングの個人的な日記の提出を要請する。リップシュタットはランプトンの無礼さに苛立ち、勝機を奪うとして彼女の裁判への関与を減らそうとするチームに失望する。また、資金集めのために会食した英のユダヤ人たちからは、アーヴィング説の宣伝を避けたいとして、示談に持ち込んでほしいと頼まれる。彼女のチームはアーヴィングの言動を止めるため、彼のエゴを訴えることに決め、彼が好都合になる陪審制ではなく、判事による公判に持ち込もうとして、幸先の良いスタートを切る。チームで臨んだリップシュタットたちに対し、アーヴィングは弁護士を雇わず、自分ひとりで法廷に立つことを選ぶ。また並べられた証拠を捻じ曲げ、自身の防衛に使おうと画策する。リップシュタットはホロコースト生還者のひとりから自分たちの証言が必要だと求められるが、法律チームはアーヴィングとの公判に集中するよう強く要求する。アーヴィングはアウシュヴィッツにガス室があったという証拠を、屋根にツィクロンBを導入する穴が見つからないとして、信用しようとしない。彼の耳に優しい「穴が無ければ、ホロコーストも無い」という言葉は、メディアで広く取り上げられる。これに激怒したリップシュタットは、自身やホロコーストからの生還者を法廷で証言させるよう求める。怒ったジュリアスは、反対尋問で利用され、アーヴィングに酷く傷付けられるだけだと反論する。そんな折、彼女の部屋を訪れたランプトンに、リップシュタットは自分が彼を誤解していたと謝罪する。法廷でランプトンは、アーヴィングに熟練の技で反対尋問を展開し、主張の不条理さを明らかにする。また専門家の証言から、彼の著作に歪曲があることも分かる。結審に当たって裁判官は、アーヴィングが純粋に自説を信じているのなら嘘をついているとは言い切れないとし、リップシュタットの法律チームには動揺が走る。

レイチェル・ワイズもの。デボラ・E・リップシュタットの書籍『否定と肯定 ホロコーストの真実をめぐる戦い』が原作。ホロコースト否定論者との法廷闘争に巻き込まれ、ホロコーストを巡る歴史の歪曲を許しかねない世界が注目する裁判の当事者となってしまったユダヤ人歴史学者と弁護団の闘いを描く。レイチェル、老けたな。事実はどうだったのかを証明するのではなく、裁判の勝ち方が主題です。その辺りが面白くもあり、不完全燃焼だったり。丹念に論拠の歪曲を見つけていく戦略は地味ながら説得力があるね。確かにホロコーストの証人を呼んでも、自称とか証拠がないと言われたら反論できないよな。
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その後高等法院のチャールズ・グレイ判事は、被告側の言説を認める判決を言い渡す。リップシュタットはその堂々とした態度で賞賛され、法律チームの面々は、公判中自分が沈黙を貫いたにもかかわらず、彼女の著述がアーヴィングの嘘を論破し、勝利への基礎を築いたとリップシュタットに気付かせる。記者会見の場でリップシュタットは、そんな彼女の法律チームの姿勢を賞賛する。

posted by どん at 22:34| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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