2016.Feb.06
☆☆★★★
パリ。まだ片言のフランス語しか話せないポーランド人のカロル(ヤヌーシュ・ガヨス)は、性的不能が原因でフランス人の妻ドミニク(ジュリー・デルピー)に離婚を求められている。カロルは裁判所で時間がほしいと哀願するがドミニクはもう愛してない、と言い捨てる。行き場をなくしたカロルは地下鉄の通路で同郷のミコワイ(ズビグニエウ・ザマホフスキ)に出会う。2人は奇妙な友情を温め始める。彼はカロルに人生に絶望して死にたがっている男に手をかす気はないか、ともちかけるがカロルは断わる。彼はミコワイのトランクに隠れ、パリで見つけた少女の胸像を抱えながら故郷に再び戻る。カロルは再び働き始めるが、美容師稼業に見切りをつけ、やくざな両替屋の用心棒になる。そして両替屋たちの土地買収の計画を出し抜くため動き始める。またフランス語も本格的に学び始める。そんなある日ミコワイに再会した彼は殺してほしいと願っている男の頼みを聞く。しかしその男はミコワイ自身であった。カロルの銃で一度死を見たミコワイは生まれ変わる。一方、大金持ちになったカロルは電話をしても受け付けてくれないドミニクをポーランドに来させるために自ら死を偽り、遺産の受取人をドミニクにした。葬儀に現われたドミニクが予想外に涙を浮かべているのを遠くから確認したカロルはその夜、彼女の前に現われ、2人は裸になり深く愛を誓い合う。満ち足りた顔で眠っているドミニクを残してカロルが去った後、彼の自殺に不審を抱いた警察がホテルに現われ、ドミニクを逮捕する。カロルは人目を避け、ドミニクのいる収容所の前に立つ。檻の中からのドミニクの視線とカロルの視線は愛を交し合う。
ジュリー・デルピーなので観る。キェシロフスキ監督のトリコロール3部作の2作目。「愛の平等」がテーマ。性的不能から妻に去られた男が、やがて金持ちになって、妻に奇妙な復讐するお話。23〜4歳のジュリー・デルピーは、とてもキュート。でも、出番が少な過ぎ。何が「平等」なのか、ストレートじゃないですな。報復≒平等にもとれるし、平等なはずのフランスで邪険にされるが、窮屈そうなポーランドで平等を勝ち取った、というようなアイロニーなのかな。3作目の『赤』は、主演がイレーヌ・ジャコブなので何となく観る気がしないのぉ。
トリコロール/白の愛を買って観る
こちらのトリコロール/白の愛